お土産の語源は伊勢神宮に関係する? ルーツを紹介!

 

 

旅行先で土地にちなんだ名物などを買って友人や家族に渡す「お土産」。誰でも一度は人にあげた、もしくは人からもらったという経験があると思います。

この「お土産」という言葉、語源にいろいろ通説があるのをご存知でしょうか。

ここでは「お土産」という言葉の語源の通説をいくつか紹介します。

 

「見上げ」からきた?

「土産」という言葉は本来、「どさん」「とさん」と読み、意味としては「土地の産物」というものでした。それがどうして「みやげ」と読むようになったのか、一説によると、「見上げ」という言葉がなまったものであるとされています。

よく品物を見て選び、人に差し上げるものを「見上げ(みあげ)」と呼んでいました。その「見上げ」という言葉が、「みやげ」となまり、土産という漢字を当てるようになったことで、現在の意味のような言葉になったとされているのです。

また、単純に旅先で買ったものを「あげる」ことからきた言葉であるとも言われており、「おみ」という尊敬の接頭語がついて(おみ足、おみくじ、のように)、「おみやげ」になったという説もあります。

 

アイヌ語の「ミアンゲ」が由来?

お土産という言葉の語源の一説には、アイヌ民族の言葉であるアイヌ語の「ミアンゲ」からきたというものがあります。

アイヌの人々は、クマは死んだ後に一度昇天し、その後現世へと戻ってくるという考えを持っています。その際に、クマは人間たちに「ミアンゲ」を持ってくるとされているのです。

ミアンゲとは、身をあげるという意味の言葉で、クマは死んでその身(肉や皮)を人間に与えます。

そのミアンゲという言葉が「土産」になったという説です。

 

伊勢参りにルーツがある?

最も有名な説は、伊勢参りに関係のあるものです。

その昔、庶民にとってあこがれの旅というのが、伊勢神宮への参詣でした。しかし伊勢参りには膨大な旅費がかかります。そのため庶民が簡単に行ける旅ではありませんでした。

そこで人々は地域の仲間と協力し、「お伊勢講」という仕組みを作りました。講に所属した人々から定期的にお金を集め、くじ引きで選ばれた人が代表して伊勢参りをするというものです。選ばれた代表者に人々は餞別を渡して、自分の分の祈願をお願いしました。

 

代表者は伊勢神宮に参拝し、地元へ帰る際に仲間の分の「宮笥(みやげ:神社でもらえるお札を張るための板)」を買う決まりなっていました。

その宮笥が、「土産」の語源であるという説です。

 

また、伊勢参りが盛んになると、土地の特産物を売る出店がたくさん出るようになり、そのことも「土産」という言葉の形成に関係していると言われています。

 

 

普段何気なくあげたりもらったりしているお土産。その語源にはたくさんの通説があり、いずれも言葉の歴史や日本の歴史にかかわっているおもしろいものです。

今度お土産を誰かに渡す際には、ここで紹介した雑学を一緒に披露してみてはいかがでしょうか。